‥生家を訪ねるちいさな旅路‥
2026.6.19 -[イベント]
~ 6/11青森市から岩木山が迫る弘前市へ ~
ご家族様から以前より、ご本人の実家に行き、お墓参りがしたいとの希望があった。
そこで、具体的な日程を数週間前に立ていた。この時点では正確な天気予報は読めなかったが、前日の雨から好天に恵まれた。天のおぼしめしのようで、単なる偶然とは言いがたい嬉しさが、行楽気分に拍車をかけた。
そこには、青森県の津軽地方に暮らす人々の、古来より精神的支えとなる岩木山が鎮座する。標高1,625mは、青森市内からも拝めるが、弘前市内に入るとグッと迫ってくる。山肌には、残雪と緑のグラデーションが、いつもの風景とは異質の迫力があらわになってくる。路傍には、ニセアカシアの花が終わりを告げ、第3~4幕の始まりのように栗の花、ヤマボウシが見頃を迎えている。浪岡の田園風景から、リンゴ畑に切り変わる弘前へと進むと、どこまでも続く手入れの行き届いた林檎木が並び、風に揺れる梢から、岩木山の被写体は欠けることなく飛び込んでくる。実スグリに精を出す頬かぶり姿が、ところどころに見え、ここで生まれ育ったふるさと津軽を、Aさんと一緒に全身で感じた。





背後の岩木山、かつて歩いた、ふるさとの道をたどる。タイムスリップしたかのように、いにしえの原風景が、いまだここにある。
Aさんの人生を振り返り、輝く瞬間をみた。小さい頃に遊んだ小川、手伝いを欠かさず過ごした日々、今も変わらず、汗が刻まれた大地、日本のほとんどが戦後貧しかった。今日があるのは、世代が綿々と引き継いでくれたナラテイブがあるからだ。それを、改めて見つめ直すことができた。癒やされたのは、ケアをする側であることを。
記事執筆者:髙橋進一(看護師長)


